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2023-03-01

ハイブリッド接眼レンズをモデルとした理想回折レンズによる色収差の補正

屈折面と回折面の両方を有するハイブリッドレンズは、様々な用途で有力な解決策となります。ここでは、回折面によって色収差を補正するハイブリッド接眼レンズの例を紹介します。初期設計はZemax OpticStudio®から採り、更なる調査のためにVirtualLab Fusionにインポートします。この事例で回折面は、回折次数、各次数の回折効率、および波面位相応答関数によって定義される理想面としてモデリングされます。

設計・モデリング概要

インポートされたレンズファイル

初期設計は Zemax OpticStudio®から採られ、VirtualLab Fusionにインポートされます。

詳細情報:
Import Optical Systems from Zemax OpticStudio®

理想回折レンズのパラメーター設定

  • 回折レンズの所望の 光学 機能 は波面位相 応答関数(Wavefront Phase Response)として定義されており、Channel Operatorタブで設定したり、OpticStudio でのbinary 2 面からインポートできます 。
  • 理想回折レンズのモデリングにあたり、関心のある回折次数とその効率を定義する必要があります。
  • 詳細については以下をご覧ください:
    Diffractive Lens Component

まとめ ー コンポーネント

光学要素 VirtualLab Fusionでの設定 モデル/ソルバー/検出値
1. 光源 Plane Wave 切り取られた平面波
2. 接眼レンズ Lens System Component Local Plane Interface Approximation (LPIA)
3. 回折素子 Diffractive Lens Component Local Linear Grating Approximation (LLGA:理想格子関数を使用)
4. ディテクタ Camera Detector 電場のコヒーレント合成

軸上の場合:屈折レンズ

スペクトル値が486.27nm、587.72nm、656.45nmの平面波を光源とします。
電磁場を表示するディテクタ位置は同じですが、分散効果により、レンズは異なった有効焦点距離を示します。そのため、ディテクタ面におけるスポット径は色ごとに異なっています。

軸上の場合:理想回折レンズ

回折レンズを導入することで、これらを揃え、すべての波長をディテクタ面で集光させることができます。色収差が補正され たことにより、色ごとのスポットがはるかに小さく見えます。

軸外の場合:屈折レンズ

軸外の場合も、同様の原理が適用されます。このとき、横方向の波長依存によるズレもあるので、色収差はさらに悪化します。

軸外の場合:理想回折レンズ

回折レンズを導入することで、両方の効果を補正することができ、軸外に入射した場合でも最適なスポットを得ることができます。

VirtualLab Fusion のテクノロジー

ドキュメント情報

タイトル

ハイブリッド接眼レンズをモデルとした理想回折レンズによる色収差の補正

ドキュメント番号

DFL.0002
バージョン 2.0
Edition / Toolbox VirtualLab Basic(理想回折レンズのみ)
VirtualLab Advanced
Diffractive Optics Toolbox Gold
使用したVirtualLabのバージョン 2021.1(Build 1.180)
カテゴリー Feature Use Case
参考文献 Design and Analysis of Intraocular Diffractive Lens
Diffractive Lens Component
Import Optical Systems from Zemax OpticStudio®